墓地購入・建墓関係 |
Q | 永代使用権とはどんな権利ですか? |
A | 「永代使用権」とは、法律的に定められた用語ではありません。 霊園・墓地を購入するという事は、宅地分譲のように土地そのものの所有権を取得することではありま せん。「お墓を建てる土地を使用する権利」を買うことを意味しています。この使用権は無期限に代々承 継できる権利なので「永代使用権」と呼ばれます。もっとも、承継者が存在することが前提ですから、承 継者が途絶えた場合は、権利は消滅し、無縁墓地として法的な手続を経た上で改葬します。その後はま た、新たな墓地として使用されることになります。 |
Q | 「お墓を買う」とどんな権利義務を負いますか? |
A | 「お墓を買う」ということは、「使用権を買う」つまり「お墓を使用する権利を買う」ことを意味し、土 地の所有権を買うことではありません。その権利を「永代使用権」といい、「無期限の使用権」ではあり ますが、お墓は承継するものがいなくなれば権利は消滅するものと考えられています。 お墓の使用権者となった者は、「墓地使用規則」を守らなければならず、それにより永代使用料のほか に墓地管理料を負担しなければなりません。 その他、基本的に墓地使用規則に定める事項は守らなければなりません。 契約前に墓地使用規則を確認することが必要です。 |
Q | 庭にお墓を建て埋葬することは可能ですか。 |
A | お墓についての法律である「墓地、埋葬等に関する法律」第4条に「埋葬又は焼骨の埋蔵は、墓地以外の 区域に、これを行ってはならない。」とあります。墓地として許可を受けた区域以外の場所(家の庭等) に埋葬はできません。また、庭を墓地にする許可を得ることは、まず、できないと考えたほうがよいでし ょう。ただし、慰霊碑など遺骨を埋葬しない施設を建立することはできます。遺骨ではなく遺髪等を納め ることは法にふれません。 |
Q | 寺院境内墓地を買う場合、檀家にならなければならないのでしょうか? |
A | 寺院境内墓地とは寺院の境内または隣接地にある墓地をいい、檀信徒のための墓地であることが多いと思 います。したがって、檀家になることが前提でその寺院の宗旨に従うことが求められます。 |
Q | 永代供養契約とは? |
A | お墓の永代使用権は、承継者がいることが前提となっており、承継者が絶えると無縁墓となって改葬さ れてしまいます。ところが昨今、生涯独身で、はじめから承継者のいない人が増加しています。そのため 家族などの引き継ぐ人がいなくても寺院や墓地管理者が永代にわたって供養し管理を行う墓地が企画され ています。その際に、結ぶ契約が永代供養契約で、内容としては、供養の期間、供養の方法、費用等その 他墓地使用について記されています。 永代供養墓の形態には「合葬墓」「集合墓」「個人墓」などがありますが、当初、骨壷のまま納め、一 定の供養期間後の骨壷から遺骨を取り出して合葬するものがほとんどです。「供養の期間」としては、弔 い上げとされる33回忌が多く、50回忌までとするところもあります。供養の方法としては、墓地よっ て異なりますが、年季法要やお彼岸法要を合同で行うという形式が多いと思われます。 |
Q | 墓地使用規則を守らないとどうなりますか? |
A | 昨今は、お墓の自由なデザインにしたい人も多いと思いますが、そのような場合、墓地使用規則を確認 すると、自由なデザインは認めない内容となっていることもあります。墓地全体の景観を美しく保つ意図 だと思われますが、そのような場合、墓地使用規則に従わなければなりません。(その他、ある宗派に従 い儀礼を執り行う内容となっていたり、石材店の指定など。) 使用規則に従わなかった場合は、永代使用権の取り消しも考えられますので、契約する前によくチェッ クすることが必要です。 |
Q | お墓の使用権者を共同名義とすることはできますか? |
A | 親のお墓を子供達が資金を出し合って建てることがあります。そのような場合、永代使用権は誰か1人の 名義になるでしょう。これは墓地・霊園等の規則で定められていることが多く、承継者も同様、1人に限 られることになります。ただし、墓石に建立者として連名することは可能です。 |
Q | デザイン性のあるお墓を建てたいと思っておりますが、法規制はありますか? |
A | これについての法規制は特にありませんが、霊園によっては使用規則等によって制約を設けているところ があります。 霊園使用規則(墓地使用規約)などで、墓石の形・大きさなどを制限している場合は、それに従わなけれ ばなりません。従わなかった場合は使用契約を解除可能性もありますので、墓地を購入の際にはよく使用 規則等を調べる必要があります。 |
Q | 墓地購入の際に永代使用料を支払いましたが、それとは別に1年ごとに墓地管理料を支払うよう に求められました。これは支払わなければなりませんか? |
A | お墓を購入した場合、永代使用料のほかに墓地管理料が必要です。これは名目を違っても、寺院境内墓地 等であっても同様です(寺院の場合「付け届け」ということもある)。墓地を維持管理するには、費用が かかります。そのため、1年ごとに納めるのが一般的です。 |
Q | 自宅の庭に墓地をつくることはできますか? |
A | 庭が広いお宅では、庭の隅にお墓をつくって供養したいと思っている方もいるのではないでしょうか? 法律上、埋葬・埋蔵は墓地以外の場所に行ってはならないことになっています。そして、墓地をつくるに は、知事の許可が必要となりますが、個人宅の庭に墓地をつくる許可はおりません。ただし、山間地など わずかに例外はありますが… |
Q | 自宅の庭に慰霊碑はつくれますか? |
A | 遺骨を納めることはできませんが、慰霊碑をつくり遺髪を納めることは問題ありません。遺髪を納めるこ とについては、法律上規制はありません。 |
Q | 自宅の庭に納骨堂はつくり、先祖の遺骨を納めたいのですが? |
A | 墓埋法上、納骨堂とは「他人の委託を受けて焼骨を収蔵する施設」をいいます。先祖の遺骨を納めるだ けの施設は納骨堂にはあたりません。先祖や家族の遺骨を仏壇に置いたり、別棟の建物内に安置すること については、納骨堂としての定義からは外れますので、法的な制約を受けることはありません。ただし、 改装許可を受ける際の役所の対応が気になるところです。(それについては、次の「遺骨を自宅に安置 する場合でも改葬許可は必要ですか?」の項を参照) |
Q | 遺骨を自宅に安置する場合でも改葬許可は必要ですか? |
A | 墓埋法2条3項によれば、遺骨を他の墳墓又は納骨堂に移さない、いわゆる「自宅安置」は法律が想定す る改葬には該当しません。改葬許可申請をどうするかということですが…、役所の対応もマチマチです。 それでは実際上、どうしたら、いいのかということになりますが、とにかく、まず墓地管理者から「埋蔵 証明書(納骨堂の場合は収蔵証明書)を発行してもらい、市区町村役場の担当者の判断に任せるべきだと 考えます。 市区町村役場の対応として、許可証を交付する場合は、おそらく、「改葬の場所」を「自宅」にする か、未定等にして、発行してくれるでしょうが… 問題は交付してくれない場合です。難しい法律の話になりますが、埋蔵(収蔵)は民法にある「寄託に よる保管行為」と考えることができます。その場合、寄託者はいつでもその返還を求めることができます ので、墓地管理者から「焼骨の引き渡しに関する書面」、「承諾書」等を発行してもらい、そのうえで持 ち出すのがよいでしょう。また、その他特殊なケースも考えられますので、まずは市区町村役場に相談す るべきだと思います。 |
Q | お墓を購入すると税金はかかりますか? |
A | 墓地を購入するということは、宅地分譲のように土地そのものの所有権を取得することではなく、永代 使用権(土地の使用権)を得るということです。したがって、固定資産の定義からはずれますので、固定 資産税はかかりません。地方税法でも「墓地は非課税」と記されていますので明らかです。また、墓石に ついても建物ではありませんので、同様、固定資産税の対象ではありません。 次に不動産取得税ですが、永代使用権にはかかりませんので、この意味でも、土地や家とは異なりま す。もっとも、 墓石や墓石工事代金には消費税がかかりますが、それでも、永代使用権取得自体には、 消費税は発生いたしません。 また、相続税はと言うと…一般的にお墓も遺族が承継することになるわけですから相続税がかかりそう ですが、そんなことはありせん。。相続税法では、非相続人が生前に取得した墓地,霊園,墓石仏壇,仏像,位 牌などには、相続税の課税対象とはなりません。 その意味で税金対策として生前に現金(ローンは×) で墓地を購入する方がおります。 |
納骨関係 |
Q | 内縁関係にあった妻が亡くなり、私の家の墓に入れてあげたいのですができますか? |
A | 多く霊園・墓地等の墓地規定もしくは墓地使用規約では、お墓に納骨できる親族の範囲を定めており、 それに該当しない場合は、一応は断られると思います。しかし、墓埋法13条では「墓地、納骨堂又は火 葬場の管理者は、埋葬、埋蔵、収蔵又は火葬の求めを受けたときは、正当の理由がなければこれを拒んで はならない。」とあり、管理者の応諾義務が定められています。「内縁関係にあった妻」に関しても、お 寺や霊園側は、墓地使用規約に基づき、事務的に認めない方針をとるかもしれませんが、裁判を起こせ ば、墓埋法13条により勝つことになるでしょう…。もっとも、裁判など起こさなくても、事情を話せ ば、わかっていただけると思います。 |
Q | 日本国籍を取得していない妻を日本のお墓に埋葬することはできるますか? |
A | 外国人が死亡した場合、日本人と同様の手続で火葬又は埋葬することができます。墓地への埋葬は国籍に 関係なく行うことができます。 |
Q | 火葬許可証と埋葬許可証について教えてください。 |
A | 火葬を行うには、火葬許可証が必要となります。市区町村役場に申請するわけですが、この手続に関し ては通常は葬儀屋さんがやってくれますので、遺族が直接、出向くことはないと思います。一応流れを申 し上げますと…医師に死亡診断書(または警察による死体検案書)の交付を受け、市区町村へ死亡届を提 出し、同時に火葬許可申請書を提出し許可書の交付をうけることになります。また、火葬許可証は火葬終 了後に火葬場管理者の火葬済みの証印を押してもらうことによって埋葬許可証となり、遺体を納骨等する ときに必要となります。 |
Q | 現在の法律では、土葬は禁止されているのですか? |
A | 条例等により、土葬を禁止している地域があるのも事実ですが、墓埋法上は、土葬を禁止しているわけ ではありません。しかし、公衆衛生上の理由があってのことですから、一概に不当ともいえません。ま た、現状では土葬を受け入れてくれる墓地を探すのにかなりの苦労を要します。(墓地規則等で土葬を禁 止する墓地も多くみられます。) |
Q | 遺言書を残して、妻が他界しました。それによれば、当家先祖代々の墓ではなく、別の墓を建てて納骨してほしいとのことでしたが、その通りにしなければ法的に問題があるのでしょうか? |
A | 遺言事項は法的に決まっており、それ以外のことが書かれていても法律上の効力が生じるわけではあり ません。本問の内容は法律上の問題ではありませんので、ご本人の遺志を尊重してあげるかどうかです。 墓地に余裕があれば、夫婦墓を建てるのもいいかもしれません。 |